ウェスタン・デジタル、データセンター向け高効率HDDの新アーキテクチャを発表

米国ウェスタン・デジタル社は、データセンター向けに、従来を上回る性能とエネルギー効率を実現する新型ハードディスクドライブ(HDD)の開発計画を明らかにしました。これは、急速に進化するフラッシュストレージ(SSD)に対し、HDD技術の競争力を維持・強化することを目的としています。

ウェスタン・デジタル、データセンター向け高効率HDDの新アーキテクチャを発表
著者: ウェスタンデジタル出典: westerndigital.com

同社は、特に大容量データセンターのニーズに応えるため、二つの新たなHDDファミリーの開発を進めています。一つは「高スループット」を、もう一つは「高エネルギー効率」をそれぞれ主眼に置いた設計です。

高スループット実現のための核となるのが、複数の磁気ヘッドを並列動作させてデータ転送速度を倍増させる「デュアルアクチュエータ」技術です。さらに2028年までには、一つの3.5インチ筐体内に二つの完全に独立した駆動機構を備えた「デュアルピボット」アーキテクチャの導入を計画。将来的にはこれらの技術を組み合わせることで、従来のHDDと比べて最大でスループットを8倍、入出力性能を4倍に高める可能性があるとしています。

一方、エネルギー効率に特化した新型HDDは、頻繁にアクセスされる膨大な「コールドデータ」の保存を想定しています。最小限のランダム入出力アルゴリズムを採用し、従来モデルに比べて消費電力を約20%削減できるとしています。このタイプの製品は2027年に出荷が開始される見込みです。

日本を含む世界各国でデータセンターの電力消費が課題となる中、これらの新開発は、大容量ストレージ市場における3D QLC NAND SSDとの競争を意識したものです。同社は、SSDが高い性能と密度を提供することを認めつつも、特定の用途シナリオにおいて、新たなHDDがコスト効率に優れた代替ソリューションとなり得るとの見解を示しています。