サイバー犯罪がAI活用で4.5倍に増加、新たな脅威として「人間の信頼」の悪用が浮上——Cloudflare調べ

米Cloudflareは、サイバー空間における脅威に関する年次報告書を発表した。人工知能(AI)の普及に伴い、サイバー犯罪の件数は過去4.5倍に急増している。報告書によると、近年の攻撃者はその手口をより巧妙化させており、従来のパスワード解析に代わり、人間の信頼関係を悪用した新たな手法が主流になりつつあるという。

サイバー犯罪がAI活用で4.5倍に増加、新たな脅威として「人間の信頼」の悪用が浮上——Cloudflare調べ
著者:CLOUDFLARE。出典:cloudflare.com

「現在の脅威状況はかつてないほど多様化し、深刻化している。大規模なDDoS攻撃、巧妙なディープフェイク、さらには基本的なネットワークツールを悪用した隠密攻撃が頻発している」とCloudflareは声明で述べている。

専門家らは、この急激な変化の主な原動力はAIの進展だと指摘する。AI技術はハッカーの高度で高速なオペレーションを自動化し、極めて精巧なディープフェイクの作成や、リアルタイムでのネットワーク構造の解析を可能にしている。

調査データによると、前年度において、AIを利用したフィッシング詐欺の被害件数は、人間が手動で行う従来型の攻撃の4.5倍に上った。顕著な事例としては、わずか1ヶ月前に発生した、偽のZoom通話において企業のCEOになりすました巧妙なディープフェイク詐欺事件が挙げられる。

しかし、サイバーセキュリティにおける脅威はAIだけに留まらない。報告書では、国家の支援を受けたとみられるグループによる通信インフラへの攻撃が急増していることも明らかになった。さらにハッカーは、悪意のあるプログラムの管理に正規のクラウドサービスを利用するなど、多要素認証を回避する新たな手口を次々と開発しているという。